(健康保険法) 育休保険料免除期間の理解 分かりやすく言い換える
法律の条文は、「書き方」が難しいことがあります。
必ずしも難しい内容を表しているわけではなく、単純な内容でも、条文の書き方という縛りの中で表現するとどうしてもそうなるのでしょう。
健康保険の保険料は、育児休業中の被保険者については免除されます。
その期間はいつからいつまでなのかを表したのが、以下の条文です。
健康保険法第159条
「(本文省略)
一 (省略) その育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの月」
この第1項は、おおまかに言うと「月をまたいで育休を取得した場合」について規定しています。
ここで言っているのは、要するに免除期間は「育休に入った月から免除され、復帰した月からまた払い始める」ということです。
これを条文で表記すると上記の表現になるわけです。
ややこしいですね。
条文を、「から」の前と後で区切って考えます。
まず育休の開始月は「その育児休業等を開始した日の属する月」であり、比較的単純です。
10/1-11/30までのようなケースだと、「10/1の属する月」、
つまり「10月」ですね。
「育休に入った月」という理解でいいと思います。
次に、ややこしいのは終了月の表現である、「その育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの月」です。
「育児休業等が終了する日の翌日」→「職場復帰する日」ですよね。
条文は「免除される期間」を表していますから、
「職場復帰する日の属する月の前月」まで免除される
つまり「職場復帰する月から払い始める」ということです。
10/1-11/30の例だと、
「終了する日」→11/30
「終了する日の翌日」=「職場復帰する日」→12/1
「終了する日の翌日の属する月」=「職場復帰する月」→12月
「終了する日の翌日の属する月の前月」=「職場復帰する月の前月」→11月
つまり、職場復帰する12月から支払い再開、まるごと育休中の11月までが免除ということになります。
同じ月内で育休を開始、終了した場合はこの条文の第2項以降で規定されていますが、まずはベースを理解しましょう。
「開始した月から免除され、復帰した月から支払い再開」です。
慣れれば条文の表現を見たときに、このイメージができると思います。
ややこしい条文表現は、分割して自分なりに分かりやすい言い換えをして理解するといいと思います。
「何とかの日の属する月の翌月」などの表現は社労士試験の勉強では頻繁に登場しますが、全てを丸暗記することなど不可能ですよね。
なお、実際に源泉控除される月は給与の支払い日によって前後する場合があります。